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いちき歯科 いびき・睡眠時無呼吸症候群 治療

いびき・無呼吸症候群の治療なら、大阪の南森町にあるいちき歯科へお越しください。

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それぞれの無呼吸症候群について

高齢者の睡眠時無呼吸症候群

高齢者の睡眠時無呼吸症候群

高齢者の睡眠時無呼吸症候群の発症率は、65歳以下の成人と比較すると高くなっています。
65歳以上では、20%以上が睡眠時無呼吸症候群という報告もあります。
ところが、ほとんどの高齢者は無症状なため、治療を受けている人はごく僅かです。


高齢者の睡眠時無呼吸症候群は、いびき、無呼吸、日中の眠気、夜間の頻尿などの多彩な症状を認めます。日中の眠気のために転倒、骨折をして、寝たきりになることもあります。 また、中等度以上の睡眠時無呼吸症候群では、夜間の頻尿が多い傾向にあるほか、無呼吸の重症度に応じて認知機能が低下することが報告されています。

その他に、睡眠時無呼吸症候群は、心筋梗塞、不整脈、心不全などをおこしやすいとされています。

治療としては一般成人と同じく、CPAP、スリープスプリントなどを使用して治療をおこないます。ただし、高齢になるにつれて歯の本数が少なくなったり、歯周病が進行してしまったりするため、スリープスプリントによる治療が困難なこともあります。

女性の睡眠時無呼吸症候群

女性の睡眠時無呼吸症候群の患者数は、のどや気道の形態、女性ホルモンの影響などから、男性に比べると少なく、全患者に占める女性の割合は20%程度といわれています。

女性の睡眠時無呼吸症候群

女性の睡眠時無呼吸症候群患者で最も多いのは40~60歳代です。男性に比べると30~40歳代が少なく、50歳以上が多い傾向があります。40歳以前が少ないのは、呼吸を促す作用のある「プロゲステロン」という女性ホルモンが関与しているためとされています。閉経後は女性ホルモン「プロゲステロン」が激減するため、女性の睡眠時無呼吸症候群患者が急増すると考えられています。

女性の睡眠時無呼吸症候群の特徴として、受診率の低さがあげられます。これは、夫のほうが先に寝てしまうことが多いこと、一人暮らしの女性が増えているなど、気付きにくいことが原因としてあげられます。また、いびきは男性というイメージが強く、受診をためらう人が多いのも原因の一つです。千葉大学が1657人を対象におこなった大規模な調査でも、女性の受診者はわずか18%となっています。

症状は女性のほうが男性に比べると症状が軽い傾向がみられます。同じ身長と体重では、女性のほうが男性よりも無呼吸や低呼吸の頻度が低い傾向がみられます。また、同じ程度の肥満があっても、女性のほうが男性よりも睡眠時無呼吸症候群の程度は軽い傾向がみられます。これは、のどや気道の形態、女性ホルモンの関与のほか、男性は睡眠時無呼吸症候群に影響する上半身肥満が多いのに対して、女性は下半身肥満が多いのも理由の一つとしてあげられます。

閉経後の女性は閉経前の女性に比べると、睡眠時無呼吸症候群に3倍もかかりやすくなることが、多くの研究により明らかにされています。これは、女性ホルモン「プロゲステロン」が、睡眠時無呼吸症候群の発症防止に関与しているためです。アメリカ・ペンシルバニア州立大学が女性1000人を対象におこなった大規模な調査では、睡眠時無呼吸症候群の有病率は閉経前の女性が0.6%だったのに対し、閉経後の女性は2.7%にもなりました。その一方で、閉経後にホルモン補充療法を受けている女性の睡眠時無呼吸症候群の有病率は0.5%となり、閉経前の女性と変わらない有病率となりました。

ホルモン補充療法の効果は、エストロゲンよりもプロゲステロン製剤で認められます。

睡眠時無呼吸症群の有病率
睡眠時無呼吸症群の有病率
妊娠時の影響

妊娠時は睡眠の状態が大きく変化します。頻尿により熟睡できなかったり、体重増加によりいびきをかくようになったり、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群を発症したりします。睡眠時無呼吸症候群にかかっている女性が妊娠すると、妊娠による体重増加により気道は狭くなり、症状は悪化します。母親の睡眠中の無呼吸が胎児の酸素不足をもたらし、流産、切迫早産、発達障害児出産の原因になったとの研究報告もあります。

スウェーデンの大学病院が502人の女性に対しておこなった大規模な調査では、習慣的にいびきをかいている妊婦が高血圧(妊娠高血圧症候群、妊娠中毒症)を引きおこすリスクは2.03倍、子宮内で胎児が発育不全を引きおこすリスクが3.45倍にもなりました。いびきは、妊婦が喫煙するのと同じようにリスクが高いことが明らかにされました。

子供の睡眠時無呼吸症候群

子供の睡眠時無呼吸症候群

通常、子供はいびきをかきません。もしも子供が日常的にいびきをかいていているようでしたら、何らかの原因で気道が狭くなっており、治療が必要となってきます。

特に日中に眠気があったり、落ち着きがなかったり、集中力がない場合は、いびきよって睡眠不足に陥っている可能性があります。

子供の睡眠時無呼吸症候群の発症頻度は1~3%と報告されています。成人では男性が多いのに対し、子供では男女差はなく、肥満の関与も少ない傾向がみられます。また、6歳まで子供は季節変動があり、風邪や鼻がつまりやすい2~4月は受診者が多く、8月は受診者が少ないという報告もあります。


子供の睡眠時無呼吸症候群の原因としては咽頭扁桃肥大(アデノイド)、口蓋扁桃(扁桃腺)肥大によるものがほとんどです。アデノイド、口蓋扁桃肥大により気道が狭くなり、いびきをかき、睡眠時無呼吸症候群を引きおこします。鼻づまりも症状を悪化させます。その他では、悪い歯並び、肥満、大きな舌も気道を狭め、睡眠時無呼吸症候群を発症させる一因となります。

子供の睡眠時無呼吸症候群の症状は大人と同様に睡眠時に無呼吸や低呼吸が何度も訪れるため、脳が何度も目覚めてしまい、質の低い睡眠となり、集中力低下、落着かない、学習能力の低下などが認められるようになります。また、睡眠が深くなったときに分泌される成長ホルモンが分泌低下し、成長が遅れてしまいます。

子供の睡眠時無呼吸症候群と歯並びの関係
妊娠時の影響

下あごの後退、下あごが小さい(小下顎症)、かみ合わせが深い(過蓋咬合)症状がみられると、口の中の容積が小さくなり、舌は後ろ(喉の方向)に押しこまれやすくなります。その結果、気道は狭まり、睡眠時無呼吸症候群を発症する要因となります。

また、出っ歯や前歯に隙間がある(開咬)症状がみられると、口は閉じにくくなります。口を開けたまま寝てしまうと、重力の作用で下あごは後退し、舌は後ろ(喉の方向)に押し出されやすくなり、睡眠時無呼吸症候群を発症する要因となります。子供が睡眠時無呼吸症候群を発症すると、5~25%に発育障害がおきるとされています。また、下あごの発育障害により睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させるという悪循環がおきることがあります。

子供の睡眠時無呼吸症候群の治療法

子供の睡眠時無呼吸症候群の治療は、主にアデノイド切除、扁桃摘出による手術をおこないます。症状に応じて、鼻にマスクをつける方法(CPAP)、矯正治療、減量等の治療もおこなわれます。

アデノイド・扁桃摘出術

咽頭扁桃肥大(アデノイド)、口蓋扁桃(扁桃腺)肥大は、4~8歳をピークとして自然に症状が改善するケースがみられます。ただし、いびきの程度がひどい場合などは、アデノイド・扁桃摘出術の対象となります。合併症のないときでのアデノイド・扁桃摘出術による改善率は、80~85%とされています。4~6歳での手術が最も多く、7~9歳での改善率は60~70%、肥満を合併しているときの改善率は25~40%とされています。年齢が上がるにつれて改善率が低下するのは、顔面形態の変化、肥満が原因と考えられます。

CPAP(持続的陽圧呼吸装置)

通常大人が使用しますが、まれに子供にも使用されることもあります。鼻にマスクを装着して加圧した空気を気道に送り込むことにより、気道の閉塞を防ぎます。慣れるまでに時間がかかることもありますが、家庭でも簡単に使用でき、効果の高い方法です。

矯正治療

下あごが小さい(小下顎)など、あごや歯並びに問題のある場合は、子供の時期に矯正治療をおこないます。主に取り外しできる床矯正装置をもちいてあごを拡げて口の中のスペースを大きくします。あごを大きくするのは、成長の止まった大人では難しく、成長期の子供、主に5~11歳頃の子供が対象となります。子供の時期の矯正治療は、大人になってからの睡眠時無呼吸症候群の発症予防にもつながります。

口呼吸の改善

現代は軟らかい食べ物が増え食生活に変化が起こった結果、かむ回数が昔に比べると少なくなりました。食事で噛まないとあごの発育を悪くなり、口呼吸を促すため、睡眠時無呼吸症候群の発症要因となります。子供の頃からかむ回数が増えるように食事を工夫して、鼻呼吸を促していきます。また、必要に応じて、パタカラ、あいうべ体操などの筋肉の機能訓練をおこないます。

鼻づまりの治療

鼻づまりによって、口呼吸になり睡眠中の無呼吸や低呼吸が増加することがあることがあります。鼻づまりを改善するために、抗アレルギー剤、抗ロイコトリエン剤、粘液調節剤、点鼻ステロイド剤などが使用されます。

1~3ヶ月間の使用で、睡眠時無呼吸症候群の症状が改善されることがあります。アデノイド・扁桃摘出術は、鼻づまりの治療で睡眠時無呼吸症候群の症状が改善しないときにおこなわれます。

その他

カロリー制限や運動療法による体重減少、睡眠環境の改善、睡眠時の体位の工夫などによって改善することもあります。

子供のいびきや睡眠時無呼吸症候群の原因は、アデノイドと口蓋扁桃肥大が多いため、これらが原因として考えられるのであれば、耳鼻咽喉科や小児科での治療となります。歯並びや口呼吸が原因であれば、歯科や耳鼻咽喉科での治療となります。