pagetop

いちき歯科 いびき・睡眠時無呼吸症候群 治療

いびき・無呼吸症候群の治療なら、大阪の南森町にあるいちき歯科へお越しください。

ご予約・お問い合わせはこちら

睡眠時無呼吸症候群の治療法

睡眠時無呼吸症候群の診断

正確な診断は終夜睡眠ポリソムノグラム検査(PSG検査)で行います。病院に一泊して睡眠時の 脳
波 眼球運動 心電図 呼吸 血中酸素濃度を調べます。これからAHI(Aponea Hypopnea Index)一時間当たりの無呼吸の数がわかります。

AHIの数値

5以下 正常
5〜20 軽症
20〜40 中程度
40〜 重症
睡眠時無呼吸症候群の診断

横顔でバランスを評価する

2重顎や顎の先端から首にかけてのラインが首に向かって下がっている場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性が高くなります

簡易型パルスオキシメータで調べる

自宅で寝ている間に調べられるので、簡便で手軽にできるが、誤差がある場合があります。 また、脳波は調べていないので寝ているかどうかは判断できないので、データだけで判断するのに注意が必要である。

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療法として大きく4つがあります。現在300万人と言われる患者さんのうち実際に治療しているのはそのうちの1割程度しかおりません

減量

減量

口の中の肉の量を減らすことで空気が通るスペースが拡がります
10キロ痩せると無呼吸は半分になります

鼻CPAP(持続的陽圧呼吸装置)

重症の患者さん(AHI20以上で眠気が強い患者)には第一選択

医科で用いられる一般的な治療法で、効果が高いです。中等度から重症の患者さんを中心に23万人ほど使用しています。鼻にマスクを装着して加圧した空気を気道に送り込むことにより、気道の閉塞を防ぎます。一晩中陽圧がかかることによる不快感がありますが、家庭でも使用できる最も効果の高い方法です。ただし、一生し続けなければならないため、半分の方が脱落してしまいます。スペインでおこなわれた大規模な調査によると、重症の睡眠時無呼吸症候群にかかっている人は、死に至るほどの心臓血管病を発症する割合が高いという結果となのですが、CPAPによる治療をおこなっている人の心臓血管病を発症する割合は、健常者とほぼ同じでした。

鼻CPAPのデメリット
CPAP
  • 装置が大がかりで面倒くさい
  • 持ち運びにくい
  • 音がうるさい
  • 空気を送り込むので乾燥して不快になる
  • 女性はバンド固定による顔の圧痕、髪型の乱れがあるので嫌がる

手術

外科手術は睡眠中に気道が閉塞するのを防ぐためにおこないます。
口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)、アデノイド摘出術等の方法があります。
初期の頃はかなりおこなわれていましたが、1998年にCPAPによる治療が、2004年にスリープスプリントが健康保険適応になったため、大人では現在ではあまりおこなわれていません。

口腔内装具(スリープスプリント)

主に軽度の睡眠時無呼吸症候群、いびき症に用いられる治療方法です。
鼻CPAPと併用して用いられることもあります。
スリープスプリントは、身体に負担をかけず安価な治療法として用いられ、口の中に装着することで下あごを持ち上げて容積を広げ、いびきや無呼吸の原因となる下あごや舌の落ち込みを防止します。

スリープスプリント

スリープスプリントで下あごが持ち上げられ、舌が気道を塞がずに呼吸がしやすくなっている

スリープスプリントの効果

スリープスプリントで効果の高い方
  • 肥満がなく痩せ型なのに無呼吸な方
  • 若い方

スリープスプリントで下あごを2ミリ出すと20%の人が50%改善し、4ミリ出すと50%の人が50%改善します。6ミリ出すと70%の人が50%改善します。
スリープスプリントの治療効果に関しての論文は1982年に最初の報告がなされています。

1982~2006の89論文3027名のデータから
54%が治癒し、20%が改善し、74%に効果がみられました
いびきは半減する
臨床症状の明らかな改善がみられ、CPAPより継続率は高い

スリープスプリントの副作用
スリープスプリントの副作用
  • 顎関節の違和感 
  • 顎が動きにくい
  • 朝食が食べにくい
  • 噛む力の低下がみられる

歯科医院にてオーダーメイドで作るものとネット通販等で販売されている自分自身でお湯を使って作るものでは、治癒率で50%と17%の差があります。また装着感も違いがありますので、歯科医院で作るオーダーメードのスリープスプリントをお勧めします。

睡眠時無呼吸症候群の治療費用

睡眠時無呼吸症候群の治療費用

睡眠時無呼吸症候群の治療が健康保険適応になるには検査(主にPSG検査)をおこない、睡眠時無呼吸症候群と診断される必要があります。検査の結果、いびき症、むずむず脚症候群等と診断された場合は、健康保険適応外となります。睡眠時無呼吸症候群の代表的な検査であるPSG検査は、健康保険の費用は2万円前後(3割負担の方)となります。その他に宿泊料(室料、個室使用料)が1~2万円かかります。

健康保険が適応になった場合、CPAPは必ず医院からのレンタルになります。自己負担額は3割負担の方で月額5000円前後です。健康保険で治療を受ける場合は、月1回(来院できないときは2ヶ月に1回)の受診義務があります。日本睡眠歯科学会での発表では、おおよそスリープスプリントの標準的な医療費は年30150円(3割負担の場合は9045円)CPAPの医療費は年175200円(同52560円)とのことです。

スリープスプリントに比べると、CPAPによる治療の費用はかなり高くなります。けれども、CPAPは睡眠時無呼吸症候群の治療では最も効果がある方法です。中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群の方は、CPAPを治療の第1選択にするのがよいでしょう。

スリープスプリントの費用は、健康保険適応のものの場合は1~2万円、健康保険適応外のソムノメッドを作製した場合は15万円となっています。違いは装着感、耐久度、不快度や呼吸のしやすさにかなり差があります。健康保険でスリープスプリントを作製する場合は、検査をおこない、睡眠時無呼吸症候群と診断されることが必要となります。